Skip to main content
カンハー(苦行者)の物語(第二回)
547のジャータカ
385

カンハー(苦行者)の物語(第二回)

Buddha24Chakkanipāta
音声で聴く
かつて、豊かなマッダ国に、十の王道徳をもって人民を慈しみ治めるブラフマダッタ王がおられた。王には、深く愛する王妃マードリーがおり、二人の愛らしい子供、王子カンハーと王女ウェッサンタラーがいた。 ある日、ブラフマダッタ王は重い病に倒れられた。病魔は王の体を蝕み、今にも命を奪い去りそうであった。王は深く憂慮された。「もし私がこの世を去ったら、この国を誰が守るのか。誰が人民を養うのか。」 王の苦悩は深まるばかりであった。その時、王の前に一人の老いたバラモンが現れた。バラモンは王に言った。「王よ、あなたの病は、あなたの過去の行いによるものです。この病を癒すには、あなたの最も愛するものを捧げねばなりません。」 王は考え込んだ。最も愛するものは、もちろん王妃と子供たちである。しかし、王は民を愛し、国を愛していた。王は、民のため、国のため、自らの命すら捧げる覚悟であった。 王はバラモンに尋ねた。「私の最も愛するものを捧げるとは、具体的に何を指すのですか?」 バラモンは答えた。「王よ、あなたの最も愛するものは、あなたの子供たちです。子供たちの命を捧げれば、あなたの病は癒えるでしょう。」 王は衝撃を受けた。しかし、王は決意を固めた。王は王妃マードリーを呼び寄せ、事情を説明した。王妃は悲しみに打ちひしがれたが、王の決意を理解し、子供たちを捧げることに同意した。 王は二人の子供、カンハー王子とウェッサンタラー王女をバラモンの元へ連れて行った。子供たちは、父の病を癒すため、喜んで捧げられた。バラモンは子供たちを受け取り、王の病はたちまち癒えた。 しかし、この話には続きがある。バラモンは実は、子供たちを捧げさせたのは、王の菩薩としての徳を試すためであった。王は子供たちを失った悲しみに耐え、菩薩の徳をさらに高めた。そして、子供たちは無事に王のもとへ戻り、国は平和を取り戻した。 この物語は、親の深い愛情と、国や民を思う王の犠牲の精神、そして菩薩の徳の高さを描いている。

— In-Article Ad —

💡教訓

欲望は尽きることがなく、それを追求しすぎると、自分自身だけでなく、周囲の人々をも苦しめることになる。真の幸福は、物質的な豊かさや権力ではなく、慈悲、分かち合い、そして他者の幸福を願う心から生まれる。

修行した波羅蜜: 布施波羅蜜(施し、与えること)、持戒波羅蜜(戒律を守ること)、出離波羅蜜(出家、手放すこと)、智慧波羅蜜(智慧)、精進波羅蜜(努力)、忍辱波羅蜜(忍耐)、真実波羅蜜(誠実)、誓願波羅蜜(誓いを立てること)、慈悲波羅蜜(愛)、捨波羅蜜(平静)

— Ad Space (728x90) —

おすすめのジャータカ物語

摩訶普陀迦太子 Jataka
1Ekanipāta

摩訶普陀迦太子 Jataka

遠い昔、仏陀の時代、サーヴァティーの都に、菩薩がいた。その菩薩は、バラナシ王の王子、摩訶普陀迦太子(マハープタカ・クマール)として転生された。太子は慈悲の心に満ち、生涯を通じて清らかな戒律を実践されて...

💡 この物語は、「一切の執着を捨て、喜んで施すこと」の尊さを説いています。マハーウェッサンタラ王子は、王家の宝である象、そして最愛の子供たちさえも、民の幸福のために惜しみなく与えました。その究極の慈悲の心は、私たちに、物質的なものや感情的なものへの執着から解放され、真の幸福を見出す道を示しています。また、「与えることの喜び」は、与える側だけでなく、受け取る側にも、そして社会全体にも、大きな恵みをもたらすことを教えてくれます。

雄鶏の忠誠
185Dukanipāta

雄鶏の忠誠

雄鶏の忠誠 遥か昔、インドのジャータカ国、コーサラ国の王都サラワティーの郊外に、一羽の雄鶏がおりました。その雄鶏は、ただの雄鶏ではありませんでした。その鳴き声は、まるで清らかな鐘の音のように響き渡り...

💡 真の価値は、外面の華やかさではなく、内面の誠実さと愛情にある。また、物事の真価を見極めるには、一時的な流行や見栄に惑わされず、じっくりと観察し、本質を見抜くことが大切である。

愚かな王と賢い象
232Dukanipāta

愚かな王と賢い象

愚かな王と賢い象遠い昔、ある国に、富は豊かでしたが、賢明さには欠ける王がいました。王は、自分の力と権力を過信し、しばしば無謀な決断を下しました。その王国の近くには、広大なサバンナが広がり、そこには、何...

💡 自然の摂理に逆らわず、謙虚に感謝の心を持つことが、真の豊かさにつながる。

サルタワハン・ジャータカ
320Catukkanipāta

サルタワハン・ジャータカ

遠い昔、ヒマラヤ山脈の麓の広大な森に、菩薩様が過去世で象の身を得ておられた頃のお話があります。その頃、動物たちは本能に従って生きていましたが、清らかな心と徳を備えていました。 ある時、その森に王宮か...

💡 この物語は、慈悲の力が、どんなに深い罪や苦しみをも乗り越えることができることを示しています。憎しみや怒りではなく、理解と許しをもって他者に接することの重要性を説いています。また、真の自己犠牲と菩薩行の尊さを教えてくれます。

摩訶蓮華の物語 (Maha Renge no Monogatari)
366Pañcakanipāta

摩訶蓮華の物語 (Maha Renge no Monogatari)

摩訶蓮華の物語 (Maha Renge no Monogatari) 遥か昔、バラモン教が栄え、人々が真理を求めて修行に励んでいた時代のこと。カシー国の都、波羅奈(はらな)の地に、それはそれは美しい...

💡 他者を助けることは、困難な時に報われる。そして、誠実さは名誉と信頼をもたらす。

クンバタジャータ(クンバタ長老の物語)
141Ekanipāta

クンバタジャータ(クンバタ長老の物語)

昔々、マガダ国という豊かな国がありました。その国にはアンカラージャという名の都市があり、人々は十種の王法を遵守する善良な王のもと、平和に暮らしていました。この都市には美しい庭園があり、市民の憩いの場で...

💡 どんなに小さな命であっても、苦しみの中にいる者を見過ごさず、慈悲の心を持って救済することが大切である。自己犠牲をも厭わない深い慈悲の心は、やがて大きな善果をもたらす。

— Multiplex Ad —

このウェブサイトでは、体験の向上、トラフィックの分析、関連広告の表示のためにCookieを使用しています。 プライバシーポリシー